(1)で述べたように、多くの店でお客の多様な要望を吸収する為の仕組みとしてトッピングやサイドメニューを用意している。
例えばトッピングが5種類あり、ラーメンの種類が3種類あるとすると、トッピングを1種類頼むとすると15種類のラーメンが楽しめることになる。トッピングを重複しないように2種類頼むとすると5×4で20のトッピングの組み合わせとなり、ラーメンの種類の3種類を掛け合わせると全部で60種類のラーメンを頼むことができる。
しかし、本当にこのような60種類ものラーメンを頼もうと思うだろうか。
実際のところ、データから見ると鉄板の組み合わせというのが決まってくるだろう。
逆に多すぎると我々は決断できなくなる可能性が高い。
一般的に言うと選択肢が10個になると我々の決断力は鈍ると言われている。
そうすると、ファーストフード店では、よく頼まれる組み合わせをデータから抽出してセット化することになる。
セットとして提供されると我々は迷わずに選ぶことが可能だし、店側としても客単価が稼げることになる。
この仕組みを積極的に取り入れたのが牛丼の松屋だろう。
一時期は、単品メニューとトッピングの組み合わせで販売していたイメージが強いが、メニューを牛丼以外に増やし出したときから、積極的にセット化を打ち出した。
こういったところでも、我々の心理が反映されているのである。